語りと音楽の夕べ 〜文化の灯火を消さないために〜

 夢かたり『夢十夜』  夏目漱石作

 

「こんな夢を見た」ではじまる、夏目漱石の夢を通して、あなた自身の隠され秘められた世界が、危険なほどに透明に、あるいは不気味に、または残酷な滑稽さとともに現れてくる。岩佐鶴丈の琵琶と設楽瞬山の尺八と能笛が、平山ヤエが物語り演じる夢に纏わるように、あなたの記憶の深層に導き、漱石の夢が織り上げられていく音楽劇。

 

あらすじ

第一夜  私の目の前で横たわった女が「もう死にます」という。死んだら埋めて、墓の傍で百年待っていて下さい、きっと会いに来ますからという。私は待ち続けるが一向に百年がまだ来ない。自分は騙されたのかと思う。そのとき百合の蕾が伸びてきて目の前で花開き…

 

第三夜  目が潰れて青坊主になった六歳の我子を背負って歩いている。子供はまるで大人のような口を聞く。私は早くこの子供を捨てたいと森の中に急ぐ。子供は此処だ此処だ、といい「お前がおれを殺したのは丁度百年前だね」という。自分が人殺しであった気づいたとたん…

 

第十夜  女の後をついて行き行方不明になった庄太郎が七日目に帰ってきて寝込んだ。庄太郎が言うには、女についていくと絶壁に出た。女は此処から飛び降りろという。辞退する庄太郎に、あなたの大っ嫌いな豚に鼻を舐められますよと女は言う。無数の豚を庄太郎は六日七晩、ステッキで豚の鼻面を叩き続けるがついに…

 

鴻巣市観光大使でもある語り部の 平山ヤエ氏 の公演です。

2月22日(月) クレアこうのす 小ホール

開場 17:30  開演 18:00

 

どうぞ足をお運びください。